概要

車載電子機器およびデータ処理の需要が増加する中、自動車メーカーはPCIe NVMe SSDの導入へと移行しつつあります。これらの高性能ストレージソリューションは、今後数年で広く普及することが期待されています。

当社の最新車載グレード PCIe NVMe SSD コントローラは、PCIe 技術をベースにゼロから設計されており、世代ごとに最高のパフォーマンス、低消費電力、高度なエラー訂正機能を提供し、自動車用途に最適です。また、データパス保護およびEMI(電磁干渉)対策も備えており、さらなる信頼性を実現しています。

最新の半導体プロセス技術を採用し、高スループット、低消費電力、厳格なデータ保護を両立。車載ストレージ向けのコスト効率に優れたPCIe NVMe SSDソリューションとして、超高性能と高い信頼性を提供します。

さらに、自動車用コンピューティング環境に最適化されたSR-IOV機能を内蔵したコントローラも提供しており、SR-IOV非対応のPCIe Gen4 SSDと比較してCPU負荷を約30%低減します。この高速PCIeインターフェースは最大8台の仮想マシンをサポートし、ソフトウェア定義型車両(SDV)に求められる多様な要件と機能を満たします。

 

車載アプリケーションの未来を切り拓く:集中型アーキテクチャ

スマートビークルがますます高度化し、ユーザー中心の設計へと進化する中、これを実現する鍵となるのが、集中型コンピューティングアーキテクチャに基づくSDV(ソフトウェア定義車両)技術です。このアーキテクチャにより、高性能CPUがADAS(先進運転支援システム)、インフォテインメント、安全機能、セキュリティ、エネルギー管理といった車両のあらゆる主要機能を一括して制御できるようになります。

このような環境において、AIは各機能を高度化する上で中心的な役割を果たします。そして、高性能SSDはCPUがデータに迅速にアクセス・処理できるよう支援し、複数のアプリケーションにわたって最適なパフォーマンスを実現します。

集中型アーキテクチャは、車載のすべての電子システムを単一の中央管理プラットフォームに統合するものであり、高速伝送システムおよび多様なストレージアプリケーションが求められます。

この構造にSR-IOVを導入することで、ソフトウェア機能の拡張、遠隔管理の簡易化、そして各仮想マシンに対する専用バーチャルファンクション(VF)を通じた高速かつ独立したインターフェースを実現できます。この機能は、将来の車両アーキテクチャにおける複雑かつリアルタイムなデータ処理ニーズを支えるために極めて重要です。

自動車産業での当社SSDコントローラの強み:

データパス保護
  • エンド・ツー・エンドのデータパス保護
  • SRAMのソフト/ハードエラーに対応するECC機能

TSMC自動車向けサービスパッケージ
  • 厳格なプロセス管理および廃棄基準の適用
  • 製品ドキュメント整備と障害発生時の故障解析対応

拡張された温度および電圧範囲への対応
  • -40°C~+85°C(Grade 3)
  • -40°C~+105°C(Grade 2)での製造試験
  • 高電圧環境下でのSRAMテスト実施

トレーサビリティ対応
  • OTPコントローラダイに固有IDを記録し、ウェーハマップまたはウェーハロット単位でのトレーサビリティを実現

Silicon Motionの自動車業界への貢献

AECC

AECC

AEC-Q100

AEC-Q100 Grade 3/2

ISO

ISO 26262  
ISO 21434

ASPICE

ASPICE に準拠

IATF 16949

IATF 16949 認証

NANDフラッシュコントローラのグローバルリーダーとして、Silicon Motionは、自動車業界の厳格な要件を満たす高性能・高信頼性・高セキュリティのソリューションを提供することに尽力しています。

当社の製品は、AEC-Q100(Grade 2/Grade 3)、ISO 26262(機能安全)、ISO 21434(車載サイバーセキュリティ)、IATF 16949(品質管理)などの認証要件に準拠した厳格なテストを実施しています。

さらに、Silicon Motionは長期的な製品供給を保証しており、再認証にかかるコストや手間を最小限に抑えることができます。

製品

SM2264XT-AT

車載用SSDコントローラにおけるゲームチェンジャー

世界初、車載用途向けに設計されたSSDコントローラで、Single Root I/O Virtualization(SR-IOV)をサポートしています。
この先進的なコントローラは最大8つのバーチャルファンクション(VF)に対応しており、複数の仮想マシンからSSDへ同時アクセスが発生しても効率的に処理を管理し、CPUの負荷を大幅に軽減します。

特長

高いデータ完全性とセキュリティ
  • AES 128/256ビットおよび TCG Opal をサポートする自己暗号化ドライブ(SED)
  • 第7世代 NANDXtend® によるデータ保持期間の延長
業界最高水準の低消費電力
  • VCCQ 1.2V/1.8V動作のフラッシュデバイスに対応
  • 消費電力は最小2mW未満
SR-IOV機能を内蔵
  • 最大8つの仮想マシンをサポート
  • 複数のネームスペースおよびファームウェアスロットに対応
車載グレード認証に完全準拠
  • AEC-Q100(Grade 2/3)および ASPICE に準拠
  • ISO 9000/9001、ISO 26262(機能安全)、ISO 21434(サイバーセキュリティ)に準拠

テクノロジー

車載ストレージ向けのSR-IOV機能を内蔵

複数のECU間でストレージリソースをネイティブに近い速度で共有 
SR-IOVアーキテクチャは、仮想化の概念を応用した仕組みであり、サポート対象の任意のハードウェア上で仮想マシン(VM)を柔軟に動作させ、既存のハードウェア資源を最大限に活用できるだけでなく、ハードウェアコストの削減にもつながります。

たとえば、仮想化システムを導入したデータセンターでは、非仮想化の旧来型システムに比べ、より少ないサーバー台数でより多くの演算処理を実行することが可能です。

仮想化アーキテクチャの利点は、データ転送時にハイパーバイザー(仮想マシンマネージャー、VMM)を経由する必要がなくなる点にあります。これにより、PCIeフォーマットからハイパーバイザーフォーマットへの変換、そしてその逆変換に伴う遅延が解消されます。また、ハイパーバイザーが動作するCPUの負荷も大幅に軽減されます。

Silicon MotionのSSDコントローラは、SR-IOV機能を標準搭載しており、最大8つの仮想マシン(VM)に対応します。各VMは、SSDコントローラ内に実装された専用のバーチャルファンクション(VF)を通じて、高速かつ独立して直接インターフェースすることが可能です。

TSMC 先端プロセス技術

当社のコントローラは、TSMCの先進的な半導体プロセス技術を基盤に設計されており、高スループット、低消費電力、妥協のないデータ保護を同時に実現します。

これにより、超高性能かつ高信頼性を備えた、コスト効率に優れたPCIe NVMe SSDストレージソリューションを可能にします。

第7世代 NANDXtend® ECC技術

最新および次世代の3D NANDに対応した、より信頼性が高く、効率的かつ省電力なECC(誤り訂正)技術 
NANDXtend® は、Silicon Motionが独自に開発した高度なファームウェア技術であり、3D NANDを搭載するSSDの設計要件を満たすために最適化されています。

LDPC(低密度パリティチェック)とRAIDデータ復元技術を組み合わせた3層構成のエラー訂正アルゴリズムにより、並列での高速・高精度なデコード・エラー訂正処理が可能となります。

これらの技術の相乗効果により、3D NANDのプログラム/消去(P/E)サイクル性能を向上させ、SSDの寿命を延ばし、データの完全性(整合性)を確保します。

エンドツーエンドのデータパス保護

ilicon MotionのSSDコントローラソリューションは、ホストからNAND、そして再びホストに至るすべてのデータパスにわたって完全なエラー検出および回復エンジンを統合し、高いデータ整合性を実現します。データリカバリアルゴリズムは、SSDのデータパス上で発生する可能性のあるすべてのエラー、例えばハードウェア(ASIC)エラー、ファームウェアエラー、SRAM・DRAM・NANDにおけるメモリエラーを効果的に検出します。

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